7. 松下幸之助 「若葉の峠」

「峠から峠に移る旅路かな」

いつ聞いたのか、

どこで読んだのか、もうすっかり忘れてしまったが、

このことばだけは今も忘れずに、

時折の感慨にフト頭をかすめてゆく。

一つの峠を越えてホッと息をついたら、

また次に峠が控えていて、

その峠を越えると、やっぱり次にまた峠がつづいていて、

だからとめどもなく峠がつづいていて、

果てしもない旅路である。

これもまた人生の一つの真実である。

真実であるかぎり、これは誰も避けられない。

避けられなければ、やはりただ懸命に歩むほか

ないであろう。

高い峠、低い峠、荒れた峠、のんびりした峠、

さまざまの起伏の中に、さまざまの人生が織りこまれて、

それで一筋の歩みのあとがついてゆく。

時には雨に降られ、風に吹かれ、難渋の重い足を

引きずらねばならぬこともあろうが、

また思わぬ暖かい日射しに、

チチと鳴く小鳥の声をなつかしむこともあろう。

それでも元気で懸命に、超えられるだけの峠を越え、

歩めるだけの旅路を歩みたい。

若葉の峠に、また新しい意欲をおぼえるのである。

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個人的な出来事ですが、会社では経理の仕事をしています。

年度末の決算処理が終わって、ホッとしたところ。

だけど、次なる峠も、すぐ来るのが人生ですね。

松下幸之助さんは、経営の神様と呼ばれましたが、

私はジワッと胸に染みる言葉を紡ぎ出す詩心が溢れる人だなぁ!

と、いつも感動しています。

2024.05.02 花里  一馬